FSUCとして LCCTに参加して
天空にありながら地球の大地に最も近い生き方をしているラダックの人々。
ぬけるような青空とそそり立つ岩山、緑のオアシスと日干しレンガの土塀。
そこは、まるで別世界の3Dのクリアな映像を見ているような風景が広がっていました。
四方に雪をいただく雄大なヒマラヤ山脈に囲まれ、文明発祥の悠久なるインダス川源流のせせらぎに身を置くとき、母なる地球の深懐と生きることの原点を感じずにはいられませんでした。
人々の暮らし方やその慎ましやかさは、日本の原風景そのものであり、軽い驚きとともにうれしさと懐かしさが相まって、生きる〝叡智〟と〝粋〟がここラダックに根付いていることへの感動と感謝が素直に湧いてきました。
今回、この大自然の下でのLWF(ラダック・ウィズダムフォーラム)開催を通して、互いの国や文化を超えた生きる資産を確認し、伝え合える貴重なフィールドシップ・ユニバーシティーの〝ひながた〟の基本的道筋を確立、確認してきた旅だったと言えると思います。
5月15日首都レーにて地元UCL(ユニバーシティー・ラダック)主催のもと、LWFが開催されました。行政、教育、宗教、マスコミ、農業、経営者など各分野のエキスパートが一同に会しての初のフォーラム。
現 在レーはホテルの建設ラッシュで地元の雇用拡大や外貨獲得に向け行政が観光に力を入れており、経済発展に伴う環境や教育の荒廃など次世代への危惧が根底に あり、その共通認識をもって〝ホリスティック・エディケーション〟を視野に入れたアピール宣言が提起されるに至ったのです。
地元のテレビやラジオによるLWFに関するニュース放映は、日本での地道なフィールド作業の総決算のような現実的確認ともなり、とても感慨深く熱いものがこみあげてきました。
又、ラダック最大の2千人から通う私立のランドンスクールでの思いがけない歓迎セレモニーや、神宮CEOによる高校生へのMALCの本質的授業風景においてもフィールドシップの貴重なる確認の期会をいただきました。
ラダックでのこの一連の流れが世界規模での大きなコーディネーションに繋がっていることが理解出来ました。
今後、ラダックにおけるUCL(ユニバーシティー・ラダック)のオッツァル氏を中心としたコアの方々が20〜30代の本来的決意と意志を持った若者たちであることも、未来を見据えた頼もしいメンバーです。
来年度のLWF(ラダック・ウィズダムフォーラム)は若者中心にまた新たな展開が始動し、〝和カフェ〟も彼らのミーティングスペースとしてより活かされる方向です。
今 回、事業体として関わらせていただいたことに対して、多様な文化圏や個人というものを超えて、存在性の粋(スイ)としてフィールドシップとして活かされ織 りなされるダイナミクスを、ここラダックにて体験させていただきましたことに深く感謝申し上げます。また、日本とラダックの架け橋であり、今回のツアーの サポートをいただいた、スカルマ・ギュルメット氏にこころより御礼申し上げます。
田中 利美